これはマジでここ数年で一番という程の大傑作。個人的には『たそがれ…』さえも超えたと断言。(勝手に…笑)
”下級武士の生き様”の描写をメインにしていた前作に比べ、本作はストレートに”男女の感情”(愛という言葉を使うと薄くなっちゃう気がして…)をメインに持って来ているので、より深く感情移入させるのかも知れない。
とにかく、下級武士役という点では、いくら汚してもやっぱし男前は隠せない真田広之に比べて、かなり永瀬正敏は適任。それにも増して、ヒロインの松たか子がめちゃめちゃ素晴らしい(いや、惚れました…笑)。
原作も読んだけれど、個人的には映画の方が上ではないかと思う。勿論、原作は短編だし、ストレートな比較はフェアではないのかも知れないけれど、それでも映画の方がより深いと断言。(勝手に…笑)
緒方拳を始め傍役も良いし、幕末を匂わせる西洋砲術訓練をコメディリリーフ的に配しておきながら、それをラストに繋がる布石ともしている辺りの上手さには舌を巻く。
山田洋次監督、齢70を超えて、凄い事になって来たな〜〜〜。山田洋次×藤沢周平(原作)という組み合わせは、かつての山田×渥美清というコンビにも匹敵する邂逅かも知れない。
それにしても、どうしてあんまり話題に登らなかったんだろうな〜〜絶対、次も藤沢原作ものを作って欲しいのにな〜〜
とにかく、北野武監督作『あの夏いちばん静かな海』と並ぶ、”MY号泣映画”ベスト1、2を競う一本です。
追記('08 2月記)
余談ながら、この傑作をものしたこの藤沢×山田という奇蹟のコラボが、3部作のラストでどうしてああなっちゃうのかな〜〜??『武士の○分』。
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