黒澤明監督作品
丁度、映画を見始めた頃にやってた『影武者』や『乱』を、テレビのスポット等で見て、あのマジックでなぞった様な隈取りメイクにちょっと抵抗感がありましたが、映画館で白黒時代の作品から見直して行ったらハマりました。『八月の狂想曲』以外は全作品映画館で見ました。
七人の侍』
やはり、黒澤作品といったら、まずはこれですね〜〜。最初はコメディリリーフだった三船演じる菊千代が、後半、侍と百姓を繋ぐミッシングリンク的な存在になるに及んで、アクション以上に物語自体が盛り上がって来ます。

最後に菊千代が、野武士の刃に…時には、もう何度も見て展開は知ってるにも拘わらず、思わず「アア!!」と悲鳴を上げてしまいます。それだけ感情移入をさせるキャラって事なんでしょうね…

『生きる』
これは、主人公の胃のレントゲン写真から始まるという(笑)前代未聞の映画。『七人の侍』とは違って、アクションらしいアクションなど皆無の実に静かな作品ながら、手に汗握る展開という点では決してひけを取らない傑作。何しろ、物語中盤で主人公が…そこからの展開が正に圧巻。

それから、主人公渡辺が、”生きる”目的を見つけた瞬間の喫茶店の階段シーン(他人のお誕生会でのハッピーバースデイの歌が、そのまま主人公の再生を祝福している)の上手さは、脚本にはない部分だけに黒澤演出の冴えが見て取れますね。

余談ながら、一時、志村喬演じる渡辺の物真似(「いや、つまり、その…」「満男、満男〜〜〜!」etc…)がマイブームでした。(笑)

あ、更に余談ながら、この作品では毛の生えた金子信雄も拝めます。